最近、またマスクを付け出す人が増えた。
マスクといえば近年大きく話題になったのが「マスク美人・マスクイケメン」である。
マスクで口・鼻・顎ラインを隠せば残るは目と眉だけ。
パーツが減ると途端に容姿が良く見えてしまうマジックのような現象に賛否両論吹き荒れた。
検索ワードも「マスク美人 がっかり」とか「マスク美人 騙された」とかネットならではの香ばしいものが多数見つかる。
しかし、どれも納得がいくのだ。当然と言える。
筆者は昔から「プラスギャップ後出しが一番いい」という主張をしている。
その理由を説明したい。
プラスギャップ後出しは「不良の善行」がお手本
「不良の善行」とは、怖そうな不良の兄ちゃんや、コワモテのおっさんが他人に優しくしている姿を見ると、普通の容姿の人が同じことをするより何割増しかに評価される現象のことである。
これは「不良な見た目=粗暴で横柄が当然」という先入観が打ち砕かれたことによるギャップ効果である。
その反対として「好青年の凶悪犯罪」なんてギャップもあり「とてもそんなことをする様には見えない」という印象を受ける人の犯罪はショックが大きい。
故にサイコパスとして生涯危険人物指定されてしまうのだ。
不良の善行・・・マイナス印象からプラスへのブースト
好青年の凶悪犯罪・・・プラス印象からマイナスへのブースト
このようにギャップを見せるならマイナスからプラス駆け上がるギャップを見せないと、その評価は安定飛行を見せない。
このギャップというものは人々の「口コミ」にも大きく影響する。
ギャップがある存在は記憶に残りやすくストーリーとして定着するので、口コミ(紹介)しやすいのだ。
他にも例を出すなら、アニメコンテンツによくある「オタクに優しいギャル」というのもそうだ。
スクールカーストが高くてオタクを「死ねやキメェ」と足蹴にしてそうな先入観が一転、実はオタクに優しいという一面を見せてくる。これがオタクに受けるのは必然である。
マスクや画像加工はギャップをプラス側に先出ししてしまう
「マスク付けてもブサイクですけど!」という男女の方々には申し訳ないが、マスクはプラスギャップを先出ししてしまう。
それは「マスク美人 がっかり」とか「マスク美人 騙された」という検索ワードのボリュームが証明している。
また、男性より女性に多いのが画像加工である。
もちろん自覚はあるだろうが、過度に加工した画像を見ている人は実物を見た時にショックを受けるのは言うまでもない。(男女問わず)
マッチングアプリや出会い目的のプロフ画像、さらには夜の店の看板で男性がことごとくフルボッコにされるのはこのせいだ。
男女問わず、生涯ネットだけで完結するならどうでもいい。
しかし、リアルで会うことを視野にいれている(恋愛の可能性など)を考えるならなるべく加工はしないほうがマイナスギャップにはならない。
「見た目で判断する奴なんか」と言いたくもなるだろうが、その見た目で惑わせているのが自分自身なのであるから、そう思うならなおさら加工は控えめが理想だ。
また「別に異性ウケのためにやってないし!」という声もある。
しかし同性でも「めっちゃ綺麗だから感動してフォローしたのに、実物見てガッカリ」という意見はあるし、そもそも自分の行為をどう受け取るかは相手次第だ。
加工するくらい容姿にこだわる人間はそりゃ(他人からも)最初に容姿で判断されるようになるのが自然だろう。
「激安」を名乗ってるスーパーが安くなかったら誰しも不満だと思うが、そのスーパーが自ら「うちの店を値段で評価しないでください!商品の中身を見てください!」とか言い出したらポカーンである。
中身で評価されたいなら最初から中身を晒せよという話ではないか。
「(本人に意図があろうが無かろうが)見た目で客寄せしてるくせに何都合の良いこと言ってんだ」という矛盾に気づいていない人が多い。
誰も自分が自信を持つまで待ってはくれない。
何かにすがった時点で、その何かが今度は弱点として機能する。表裏一体なのだ。
プラスギャップ先出しはチャンスそのものは多くなるがハードルも上がる
ではプラスギャップを先に出すことはデメリットしかないのか?というと、そんなことはない。
事実、夜の店のゴリゴリに加工した看板をみて「この子可愛い!」とその店に足を運ぶ男性は多い。
つまり「一度入ってしまえば後の祭り(逃げられない)」というような状況では圧倒的に強い。
特に画像加工を日常とする人たちはその「フックの強さ」を実感しているだろう。
故に先ほども書いたが「ネットだけ」みたいな話なら、想像上の人物として永遠なのである。
しかし、人間そこまで割り切れるかというとそうもいかない。
ネットでチヤホヤされれば、それはリアルにもハシゴを掛け替えたくもなるだろう。
それは悪いことではなく、人として「実際はどちらに軸があるのか」の証明である。
ただし、レベルが高いものを序盤から見せると周囲からのハードルが上がる。
それが維持できなくなった途端に周囲は期待はずれだと嘆き出すのはセットである。
地下アイドルの方々はおそらく後ギャップである
地下アイドルという存在を知らない人もいるだろうし、筆者も別に詳しい訳ではない。
興味のない人からすれば「いわゆる売れてない底辺アイドルでしょ?」みたいな厳しい言葉で片付けられやすい界隈であるようにも思うが、故に彼らは後ギャップである。
イメージで悪く言われたり、適当にあしらわれるような人や界隈こそ、そこからの行動次第で一気に人の心をプラスに掴む振れ幅があると言える。
そもそも、そういう境遇の方がサクセスストーリーになりやすい。
起承転結という意味では「最初から最後まで順風満帆」の人間ほどツマラナイものはないのだ。
しかし、地下アイドルから薬物事件やなんやという報道が出たりしたら一気に「表に出てこれないヤバい奴ら」というレッテルを貼られるだろう。
「思ったより良かった」は安定感のある支持となる
「プラスギャップ後出し」を主張したが、これは言い換えれば「マイナスギャップ先出し」と同じことである。
先にデメリットを見せて伝えて、それでも選んでもらえた場合「あれ、聞いてたよりも悪くないぞ!なんか得した気分!」となる。これは人間の心理だ。
さらに「思ったより悪くないどころか、俺(私)は好きだぞ!」という状況になれば評価の安定感は増す。
デメリットとしては最初のフック(掴み)が弱く、数が集まるまで時間がかかるところだ。